自治法施行令(以下「施行令」という。)167条の2
第1項6号は,随意契約によることができる場合として,「競争入札に付す ることが不利と認められるとき」と規定している。
堺市建設工事等における随意契約のガイドライン(甲24。以下「堺市ガ イドライン」という。)においては,同号に当たる場合として,「他の発注 者の発注による現に施工中の工事等と交錯又は近接する箇所の工事等(出合 丁場)で,当該施工中の者に施工させた場合には,工期の短縮,経費の節減 に加え,工事の安全・円滑かつ適切な施工を確保する上で有利と認められる 場合」と規定している。
また,地方公営企業法及び同法施行令においても法及び施行令と同様の定 めがされており(地方公営企業法35条,同法施行令21条の14第1項6 号),堺市ガイドラインと同様の運用がされている。
(2) 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(以下「適正化法」 という。)は,国,特殊法人等及び地方公共団体が行う公共工事の入札及び 契約について,その適正化の基本となるべき事項を定めるとともに,情報の 公表,不正行為等に対する措置及び施工体制の適正化の措置を講じ,併せて 適正化指針の策定等の制度を整備すること等により,公共工事に対する国民 の信頼の確保とこれを請け負う建設業の健全な発達を図ることを目的として 定められた法律であり(1条),公共工事の入札及び契約の適正化の基本と なるべき事項として,以下の各号が定められている(3条)。
1号入札及び契約の過程並びに契約の内容の透明性が確保されること 2号入札に参加しようとし,又は契約の相手方になろうとする者の間の公 正な競争が促進されること
3号入札及び契約からの談合その他の不正行為の排除が徹底されること
4号契約された公共工事の適正な施工が確保されること。
また,適正化法15条1項に基づき,「公共工事の入札及び契約の適正化 を図るための措置に関する指針」と題する告示(平成13年3月29日総務 省・財務省・国土交通省告示第1号。甲4)により,適正化指針が示された。
(3) 堺市入札参加有資格業者の指名停止等に関する要綱(甲3。
以下「市要 綱」という。)は,市長は,堺市契約規則により入札の参加資格を与えられ た業者(以下「有資格業者」という。)のうち,一定の措置要件に該当する 者について,一定の期間,指名停止を行うこととしている(2条1項本文)。
そして,指名停止期間中の者(以下「指名停止業者」という。)を堺市の随 意契約の相手方としない旨定めており(7条本文),例外的に,「市長が特 にやむを得ない事由があると認めるとき」はこの限りではないとしている (同条ただし書)。
堺市は,市要綱を具体的に運用していく指針として市要綱運用基準(乙 1)を設けており,同運用基準第6においては,市要綱7条ただし書の「特 にやむを得ない事由」に該当する場合として,「施行令167条の2で規定 されている契約の性質又は目的が競争に適しない場合,緊急の必要により競 争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場 合などで,災害時の応急措置,特殊技術を必要とする契約,施工責任の一元 化等により指名停止中の有資格業者を随意契約の相手方とすることが市民の 利益にかなう場合等」をいうものと定めている。
堺市上下水道局入札参加有資格業者の指名停止等に関する要綱(甲7)は 市要綱を準用している。
債権債務
外国の特許を受ける権利の譲渡に伴って譲渡人が譲受人に対しその対価を請求できるかどうか,その対価の額はいくらであるかなどの特許を受ける権利の譲渡の対価に関する問題は,譲渡の当事者がどのような債権債務を有するのかという問題にほかならず,譲渡当事者間における譲渡の原因関係である契約その他の債権的法律行為の効力の問題であると解されるから,その準拠法は,法例7条1項の規定により,第1次的には当事者の意思に従って定められると解するのが相当である。 なお,譲渡の対象となる特許を受ける権利が諸外国においてどのように取り扱われ,どのような効力を有するのかという問題については,譲渡当事者間における譲渡の原因関係の問題と区別して考えるべきであり,その準拠法は,特許権についての属地主義の原則に照らし,当該特許を受ける権利に基づいて特許権が登録される国の法律であると解するのが相当である。 本件において,上告人と被上告人との間には,本件譲渡契約の成立及び効力につきその準拠法を我が国の法律とする旨の黙示の合意が存在するというのであるから,被上告人が上告人に対して外国の特許を受ける権利を含めてその譲渡の対価を請求できるかどうかなど,本件譲渡契約に基づく特許を受ける権利の譲渡の対価に関する問題については,我が国の法律が準拠法となるというべきである。 以上と同旨の原審の判断は,正当として是認することができる。論旨は採用することができない。
2 前提事実(争いがないか,証拠(甲9,10,13,15,19,22,2 8,乙26から29まで。
書証番号は枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により 容易に認められる事実)。
(1) 当事者等
ア原告らは,堺市の住民である。
イ被告堺市長は,堺市の執行機関である。
ウ被告堺市上下水道事業管理者は,堺市の営む堺市上下水道事業の管理者 であって,当該業務の執行に関して堺市を代表する権限を有する者である (地方公営企業法8条1項本文)。
エA株式会社は,建設業を業とする株式会社であり,本件各工事を堺市か ら請け負った者である。
(2) B中小企業クラスター整備事業の概要等
ア堺市は,平成17年ころより,先進的な中小企業が集中する工業団地を 市内臨海部に位置するB地区に整備するべく,B中小企業クラスター整備 事業(以下「クラスター事業」という。)の検討を開始した。
堺市は,平 成19年4月には進出企業の公募を始め,同年11月には,C株式会社か ら事業用地として別紙物件目録記載1の各土地(以下「クラスター事業用 地」という。)の無償譲渡を受けており,平成21年秋以降,進出企業に 対する土地の分譲を行うことを予定している。
イ平成19年6月ころ,D株式会社が堺市での工場建設を検討しているこ とを表明し,同年7月31日には,クラスター事業用地に隣接する別紙物 件目録記載2の各土地(以下「D株式会社工場用地」という。)に,D株 式会社を筆頭とするインフラ施設や部材・装置メーカー等の関連企業約1 0数社が進出して,コンビナートを形成することが決定された(以下,建 設予定のD株式会社及び関連企業の工場を併せて「D株式会社工場」とい う。)。
(3) 本件各工事に係る請負契約の締結
ア堺市は,A株式会社との間で,平成19年11月22日,クラスター工 事の請負契約につき仮契約を締結し,同年12月20日,請負代金額を8 億6100万円と定めて,随意契約の方法により本契約を締結した。
クラ スター工事は現在も進行中である。
イ堺市は,A株式会社との間で,平成20年1月23日,iD株式会社及び 関連企業,iiクラスター事業進出企業,並びに,iii大規模地震対策防災施 設である緑地に対する各上水供給施設の整備を目的とする配水管布設工事 についても,随意契約の方法により請負契約を締結した。
ウ堺市は,A株式会社との間で,平成20年8月19日,配水管布設工事 の請負代金額を1億1177万4600円に減額する旨の変更契約を締結 した。
エ配水管布設工事は,平成20年8月29日に竣工し,同年9月11日, 工事検査確認の後,堺市に引き渡された。
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